評価
非常に良作
複数の主人公たちが複雑に絡みあうストーリー展開は圧巻でした。
『428 〜封鎖された渋谷で〜』とは?
概要
ジャンル | サウンドノベル |
機種 | wii,PS3,PS4,Steam |
発売年 | 2008年 |
販売元 | スパイク・チュン |
どんなゲーム?
5人の主人公によるオムニバス形式で展開される実写サウンドノベルゲーム。
舞台は東京・渋谷。4月28日、渋谷管内で女子大生誘拐事件が発生。当初はただの営利目的の事件かと思われましたが、その裏側で巨大な陰謀が渦巻いていたことが明らかになります。5人の主人公たちは図らずも、その巨大な陰謀に巻き込まれていくことになります。
オムニバス形式の実写サウンドノベル
各キャラの選択が他キャラの運命を変える
『428』はとにかくシナリオの完成度が高いです。
『428』は主に5人の主人公によるオムニバス形式でストーリーが展開されます。各キャラのなんでもないような些細な選択が、他キャラの運命に直結してきます。例えば、ネコの着ぐるみが脱げなくて困っている「タマ」という主人公の行動がまさにそうです。
タマはやっとのことで着ぐるみを脱ぐことに成功するものの、その脱いだ着ぐるみをその場に放置していくか、持っていくか、という選択を迫られます。一見するとどうでもいいような選択ですが、放置してしまうと、その着ぐるみを悪用した人物により他の主人公が命を落とす……というバッドエンドを迎えてしまいます。
このように『428』はキャラ同士の複雑に絡み合ったストーリー展開が魅力的なんです。「この選択肢がこんなところで関わってくるの!?」ということがしょっちゅう起こり、次の展開に目が離せなくなります。こんな複雑なシナリオなのに、しっかり整合性が取れているから非常に驚きです。
他の主人公に「JUMP」
『428』の特徴的なシステムとして、「JUMP」というものがあります。これは進行中の主人公のストーリーから他の主人公のストーリーに移動できるというシステム。
というのも、特定の主人公のストーリーだけを進めていると、シナリオにロックがかかる「KEEPOUT」が発生するんですよね。これを解除するために、他の主人公から「JUMP」する必要があります。
JUMPシステムによって、「どの主人公がストーリーに絡んでくるんだろう」と先の展開を想像する楽しさがあります。ストーリーが盛り上がってきた場面でKEEPOUTが出てくると、ホントにもどかしくなります。
職業、年齢、背景、なにもかも異なる主人公たち
『428』の面白いところは、主人公たちに共通点がまるでないところです。主人公たちは、刑事、フリーライター、ウィルス研究者、ネコの着ぐるみ、ごみ拾いの青年…という顔ぶれ。
本来であれば絶対出会うことのない5人が、最後には1つの結末に収束します。プレイ当初は、この5人が交わるなんて想像もできなかったですね。
まとめ・総評
『428』は複数の主人公によってオムニバスに展開される実写サウンドノベルゲームです。
システム面、ストーリー面のどちらも完成度が高く、万人におすすめできる作品だなと感じました。プレイ後は、1本の長編小説を読破したのに似たような満足感があります。
「有名なのは知っているけど、なかなかプレイする踏ん切りがつかない…!」という人は、この機会にぜひプレイしちゃってください。
今回は以上です。読んでくれてありがとう!