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『カリギュラ オーバードーズ』レビュー・評価 グラフィックはいまいちだが、世界観とボカロPによる楽曲が光る作品

ゲーム

評価

良作

なきむし
なきむし

グラフィックや3Dモデルが拙いですが、ストーリーやキャラにキラッと光るところがあります。

『カリギュラオーバードーズ』とは?

概要

ジャンルRPG
機種switch,PS4
発売年2018年
販売元フリュー

どんなゲーム?

ペルソナ2や真・女神転生のシナリオに携わった里見直氏がシナリオを手がける学園ジュブナイルRPG

現実で苦悩した人間のみが連れてこられるメビウスという理想世界が舞台。主人公たちは理想を捨て、辛い現実で生きることを決心し、メビウスから脱出する方法を模索します。

ストーリーの感想

敵側としての二重生活ができる楽士ルート

このゲームは敵側である楽士の一員として活動できる楽士ルートというものがあります。つまり、帰宅部部長をやりながら、楽士として活動するという二重生活を体験できるわけです。楽士として活動しているときは当然、帰宅部のメンバーと戦うこともありますし、逆も然りです。

この楽士ルートでは、敵側である楽士たちにフォーカスしたストーリーが展開されます。この楽士側のストーリーというのが魅力的なんですよね。

扉をくぐれば楽士としての二重生活が可能

他の楽士たちと交流していく中で、彼らがメビウスという世界に固執する理由がだんだんわかってきます。無視されがちな敵側視点のストーリーを描くことで、ストーリー全体に深みが増しています。

確かに、敵側視点の物語を描くという手法はすでに出回っていますが、主人公が実際に敵側として活動するというのはなかなか斬新で面白いなと思いました。両陣営とも欺いている感じがしてスパイっぽいです。

キャラの心の奥に踏み込む

メインストーリーとは別に、各キャラを掘り下げるキャラエピソードがあります。ペルソナシリーズをプレイしたことがある人なら想像しやすいかなと。メインストーリーを進めると、各キャラのエピソードが順番に解禁されていきます。

キャラエピソードでは、彼らがなぜメビウスに連れてこられることになったかの経緯や、現実世界でのスペックが明らかになります。どちらかというと、メインストーリーよりもこちらのほうが重要ですね。キャラエピソードを知らないと、メインストーリーでの彼らの行動の動機というか、現実世界への想いがわからないです。

心の奥に踏み込むとより深くキャラを知れる

選択肢が出てくるので適切なものを選ぶと次のコミュに進めるという感じ。しかし、間違った選択をするとキャラが怒ってしまってコミュが一時停止します。ペルソナのように選択肢ごとに好感度ゲージが上がる方式ではなく、正解か不正解かの二択です。

一時停止してしまうと、再開させるために確かアイテムが必要だったはず。これは少々めんどくさかったです。初見では正解できないような選択肢が多いうえに、必要なアイテムも入手しづらいからです。しかし、キャラのコミュを進める前にセーブをしておけば解決しますのでご安心を。

キャラエピ中の選択肢

このキャラエピは楽士ルートにもありまして、楽士たちの心の奥にも踏み込めます。どちらかというと、帰宅部メンバーよりも楽士たちのエピソードのほうが個人的には好きでした。やはりメビウスの番人として選ばれただけあり、個性の強さが違いますね。

また、このキャラエピはキャラ同士関連しているものもあります。帰宅部メンバーと楽士メンバーのエピソードがつながっている箇所もあり、現実世界での関係性を考察しながらプレイすると面白いですよ。

楽士側にもキャラエピは存在する

3Dモデルとグラフィックは許せ

『カリギュラ』が評価を落としている原因として、3Dモデルとグラフィックの低さが挙げられます。お世辞にも良いグラフィックとはいえないです。3Dモデルのモッサリ感も否めません。

グラフィックよりモッサリ感のほうが気になる

『カリギュラ』で3Dモデルが足を引っ張っているものといえば、バトルですね。

バトルシステムは個人的に好きです。キャラの数秒先の行動を「イマジナリィチェイン」で予測してからアタックができるというシステム。

「イマジナリィチェイン」で行動結果を予測できる

実現させたいことはすごく伝わってくるのですが、3Dモデルがモッサリ動きすぎて魅力が半減しています。ホントに惜しい。アタックの判定も少しガバガバなところもあったりとバトルに関しては改善点が多いと思われます。ただ、システム自体は結構好きなので、なんとか滑らかなモデルにして実現させてほしいです。

ボカロPたちによるバトルBGMがアツい

このゲームはとにかくバトルで流れる楽曲が魅力的です。

『カリギュラ』の世界観の特徴は、「μ」というアイドルが楽士たちの提供する曲を歌うことでメビウスを維持しているという設定。そんな楽士たちの曲を作ったのは実在しているボカロPたちです。楽士たちの曲はすべて書き下ろしで「μ」のボーカル付き。

本作のアイドル「μ」

特に注目してほしいのは歌詞ですね。楽士たちが現実世界で抱いていた苦悩や後悔が如実に表現されています。ここまで楽士たちの心情に沿った楽曲を書けるのは、現役のボカロPだからこそだと思います。

僕が好きな楽曲は、楽士Stork(ストーク)の「Love Scope」です。歌詞には彼の変態紳士っぷりがこれでもかとネットリ表現されていて、つい聞き入ってしまいますね。

まとめ・総評

『カリギュラオーバードーズ』はメビウスという理想世界を舞台にした、学園ジュブナイルRPGです。

敵側としての二重生活を体験できる楽士ルートは斬新で面白いです。ボカロP書き下ろしの楽曲も世界観にマッチしています。

グラフィック面という改善点はあるものの、キラッと光る魅力がある作品だと感じました。

今回は以上です。読んでくれてありがとう!

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