評価
非常に良作
死をテーマにした重々しい世界観によって、キャラの葛藤や心情が力強く表現されています。ストーリーは3,4,5の中で、3が1番好きです。
僕は、ペルソナ3はリメイクである本作が初プレイです。オリジナル版は未プレイのため、過去作との比較はしていません。
また時折、ペルソナ4G,5Rと比較した感想を語っていますが、ネタバレなしのレビューのためご安心ください。
『ペルソナ3リロード』とは?
概要
ジャンル | RPG |
機種 | Xbox Game Pass / Xbox Series X|S / Xbox One / Windows / PS5 / PS4/ Steam |
発売年 | 2024年 |
販売元 | アトラス |
どんなゲーム?
2006年発売の「ペルソナ3」をリメイクした作品。
システムやバトルへの新要素の追加、グラフィックの向上などを施し、遊びやすさを追求した作品となっています。
ストーリーの感想
物語に起伏があって面白い
ストーリーに関していえば、僕はペルソナ3,4,5の中で3が1番好きです。というのも、3はストーリーに起伏があって展開に飽きないんですよね。
タルタロスや影時間の正体、ストレガという対立陣営、身内の死など…ストーリーを盛り上げる要素がとにかく多い。
ペルソナ5は勧善懲悪っぽい感じで、王道だけれどストーリーの展開が読めてしまう、という感想も持ちました。それと比較して3は、タルタロスや影時間といった謎が多く、その正体がだんだんと明らかになっていくのが面白かったです。
また、ペルソナ3は唯一、主人公が特殊な力を持っていることへの設定が作られていました。単に主人公だから特別、というだけではなかったのが、他のナンバリングと比較して印象的でした。
死をテーマにした重い世界観
ペルソナ3のストーリーは、全体的に死をテーマにしていて重い雰囲気です。しかし、これも魅力の1つだと思っています。なぜなら、キャラの行動理由に力強さが出ているからです。
ペルソナ3の主要キャラは、基本的に身内が亡くなっています。主人公の両親もすでに他界。身近な人を亡くした深い悲しみや、それを乗り越えるための葛藤が強く描かれています。
例えば、真田先輩なんかはそうですね。過去に妹を亡くした悔しさから、もう誰も死なせまい!強くなりたい!とボクシングに打ち込んでいます。
死が全体のテーマとなっており、キャラの行動理由が強いからキャラに感情移入しやすかったですね。選択によって普通にキャラが死んでしまうというのは、4,5を先にプレイした自分からすると、かなり驚きでした。
ゲームシステムの感想
タルタロスはテンポが良い
タルタロスとは、ペルソナ3のタワー型ダンジョンのことで、タルタロスの最上階まで登るのが目的です。
リメイク前のタルタロスは、階に入りなおすたびにマップが変わるという評判の悪いシステムでした。しかし、リメイクされた本作では、挑んだ当日に限りマップの構造が保存される仕様に変更されました。エントランスまで戻っても、最高階までワープ可能。
正直、かなりテンポがよいです。というか、苦戦する要素がほとんどありません。パズルなどの変なギミックもないし、中間ボスもそこまで強くないです。ひたすら、もくもくとタルタロスを登ることができます。
「幸福の手」と呼ばれる、経験値高めの敵も出現率はそこそこ高め。レベル上げで苦戦することもまずありません。一晩タルタロスに潜るだけで、限界の階層まで登りきれます。
個人的に、タルタロスに関しては不満な点は見つかりません。バトルの楽しいところだけは残し、めんどくさいところは徹底的に排除した仕様になっていると思いました。
”死にキャラ”をなくす大時計システム
味方キャラのレベルを一気に上げる「大時計」というものが、リメイクによって新たに追加されました。これは、主人公よりレベルの低いキャラのレベルを、主人公と同じレベルまで引き上げることができるというもの。
例えば、主人公のレベルが30で、ある味方キャラが20だった場合、そのキャラのレベルを30まで上げることができます。
メインパーティ以外のキャラのレベルって低くなりがちですよね。上げるのもめんどくさいから、そのまま放置。結局、レベルが低いから今後使うこともなし、という負のスパイラルです。
大時計システムにより、RPG特有の”死にキャラ”がでない仕組みになりました。とはいえ、一度にレベルを上げられるキャラは2人という制限もあるので、結局死にキャラは生まれるのですが…。キャラ全員を使ってほしい!という制作側の願いは伝わってきますね。
バトルの演出がかっこいい
ペルソナ3リロードは演出にこだわっています。
敵の弱点を突いたときのカットイン、テウルギアという必殺技、リザルト画面。特にカットインは何度見ても惚れ惚れします。ここらへんの演出はペルソナ5の良いところが活かされているなと感じました。演出にこだわっているおかげか、バトル風景は見ていて飽きません。
RPGってゲーム後半は、キャラが育ってきてバトルが作業ゲーになりがちですが、カットインが流れるといまだに興奮してしまいますね。
コミュがつまらないキャラが多い
ここまでべた褒めなペルソナ3リロードですが、少し気になる点がありました。
それは全体的にコミュがつまらないということ。学外コミュはまだしも、学内コミュはつまらないキャラが多いです。運動部と女子マネージャーを筆頭に。
なんというか、全体的に話が薄っぺらいです。何度も同じ話を引き延ばしたり、結局問題が解決していないようなコミュもしばしば。リメイクしても、コミュの内容は変えることができないので、仕方ないっちゃ仕方ないですね。
そのぶん、ペルソナ4,5は面白いコミュキャラが多いので、3から進歩して4,5なんだなと納得しました。ペルソナ3のコミュキャラ全員がつまらない、というわけではないのでご安心を。時価ネットの社長とか、破戒僧とかはわりと好きでした。
まとめ・総評
『ペルソナ3リロード』は、演出やシステムへの新要素の追加により、遊びやすさが向上した「ペルソナ3」のリメイク作品です。
ストーリーは死をテーマにし、重々しい雰囲気が漂いますが、それによって力強く行動するキャラが際立っています。ダンジョンであるタルタロスは、さくさく攻略が可能で、ストレスフリーです。演出も凝っているため、飽きずにプレイできます。
今回は以上です。読んでくれてありがとう!