評価
良作
ユーザー・インターフェースに難はあるものの、ストーリーの完成度は高いです。
『春ゆきてレトロチカ』とは?
概要
ジャンル | ミステリ,アドベンチャーゲーム |
機種 | switch,PS4,PS5,Android,iOS |
発売年 | 2022年 |
販売元 | スクウェア・エニックス |
どんなゲーム?
『428』のシナリオディレクター、伊東幸一郎氏がゲームディレクターを務める実写ミステリーアドベンチャーゲーム。
舞台は、不老の果実トキジクの伝説が伝わる四十間(しじま)家。ある日、庭にある桜の木の下から100年前の白骨化死体が見つかります。その手がかりを求め、過去100年にわたって起こった殺人事件を解明していきます。
実写のアドベンチャーゲーム
過去と現在を行き来するミステリードラマ
『レトロチカ』は過去と現在を行き来しながら、トキジクとそれに関する殺人事件の謎を解き明かす、という構成になっています。
個人的に、この構成にはワクワクしながらプレイできました。「現在の謎を解く手がかりは100年前の殺人事件にある!」ってなかなかそそられませんか?
事件を解いていくうちに謎が明らかになるどころか、さらに深まっていくのがまた面白いです。過去の事件が現代につながったとき、驚きのあまりただただ茫然としてしまいましたね。
俳優の演技力はまあまあ高い
俳優の演技力に関して、素人が感想を語るのは偉そうですが、まあまあ高いです。結構ベテランの方とかも起用していて、シナリオ面以外にも力を入れているなと感じました。
しかし、1つ気になったことは、突然声優が登場してきたことです。
「なんで俳優ではなく、声優を起用してしまったの?」と疑問を抱いてしまいました。演技力が低いというわけではないなかったのですが、あまりにも声優としてのイメージが強すぎて、登場人物として見ることができなかったんですよね。
キャラクターが話しているというよりは、その人個人の演技を見ているというような感覚。ゲームの世界から、急にフッと現実に戻されたような気分になってしまいました。
いまいちな点
謎解きが作業ゲーになっている
『レトロチカ』で残念だなと感じたのは、謎解きが推理ゲームというより、作業に近いにものになっていたことです。
推理パートのシステムは、盤面にある「謎」に対して、事件発生パートで手に入れた手がかりを組み合わせて、「仮説」を作っていくというもの。組み合わせ次第で「仮説」は何通りも作成できます。途中で真相に気づいたら、すべての仮説を作る必要はありません。
しかし、問題なのは、解決パートでは作成した「仮説」しか突きつけることができない点です。作成していない「仮説」を犯人に突きつけることはできません。いまいちパッとしない方は、「犯人を追い詰めるための攻撃手段が減ってしまう」と考えていただければOKです。
もちろん、間違った仮説を選んでしまうとゲームオーバー。となれば、すべての仮説を作るに決まってますよね。そっちのほうが遠回りせずに済みます。こういうこともあり、推理パートは、推理をするための時間ではなく、たくさん「仮説」をつくるためのパートになっていました。
推理パートのテンポが悪い
推理パートが、たくさんの「仮説」をつくるためのパートだということはおわかりいただけたと思います。
しかし、その割には推理パートのテンポが悪いんですよね。テンポを悪くしている原因として、仮説の再現ムービーが挙げられます。
仮説を1つ作り上げるごとにその仮説を再現するムービーが流れます。このムービー、飛ばすことができません。先ほど書いたように、推理パートはたくさんの仮説を検証するパートです。
それにもかかわらず、再現ムービーを飛ばすことができないのは、流石にテンポ悪すぎですね。”作業ゲー”感をより強めている原因だとも思いました。
まとめ・総評
『春ゆきてレトロチカ』は、100年にわたって起こる殺人事件を追いながら、不老の果実”トキジク”の謎を解き明かす、実写ミステリーアドベンチャーゲームです。
肝心の推理パートは少々テンポが悪いものの、過去と現在を行き来しながら謎を追っていくストーリーにはなかなか引き込まれました。
「実写のアドベンチャーゲームってどんな感じなんだろう?」と興味がある方には、ぜひプレイしていただきたいです。
今回は以上です。読んでくれてありがとう!
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