なあ、私のマグカップが見当たらないんだが、
どこかで見なかったか?
ギクッ!
先生、俺、さっき落として割っちゃったんだよ。
ごめん…。
そうか、まあいい。
私も置く場所を考えなかったし、
次は別の場所に置くことにするさ。
えっ?怒らないの?
てっきりケバブの材料にされるかと思ったんだけど…。
お前、私を何だと思ってるんだ。
それより、怒ってミスを隠すようになる方が問題だ。
対策をして、次は同じ失敗をしなければいい。
すげえ…先生みたいに、
ミスを前向きに受け止められるようになりたいな。
なら、ちょうどいい本を紹介してやろう。『失敗の科学』だ。
これを読めば、失敗がいかに価値あるものかがわかるぞ。
うおお!お願いします、先生!
失敗に対する3つの反応
人が失敗に直面したときによく見られる3つの反応がある。
それは次の通りだ。
- 失敗を隠す
- 真実をゆがめる(認知的不協和)
- 自分の考えにしがみつく(確証バイアス)
1. 失敗を隠す
人はミスをしたとき、それが他人に知られるのを恐れて隠そうとする。
そりゃそうだよ!ミスがバレたら叱られるし、
みんなからの評判も落ちそうじゃん!
その通り。責任を追及される環境なら、
誰もミスを報告しないに決まっている。
しかし、失敗が隠されると、その経験から学ぶ機会も失われてしまう。
だから、失敗を非難する文化には問題があるんだ。
なるほどなあ。
そう考えると、ミスを責められる仕組みにも問題がありそうだよね。
2. 真実をゆがめる(認知的不協和)
次に紹介するのは、認知的不協和という現象だ。
受け入れたくない真実があると、人はその現実を自分の都合に合わせてゆがめてしまう。
例えば、行列に並んで食べたラーメンがまずかったときとか?
ナイス例えだ。
長時間並んだというコストを正当化するために、
『これは美味しい』と思い込もうとする。
誘ってきた友達が「美味しかった」って言い張ってたのを思い出したよ。
俺マズくて残したけどね。
お前はモラル的に問題がありそうだな
3. 自分の考えにしがみつく(確証バイアス)
最後は確証バイアス。
これは、自分の意見に都合のいい情報だけを集めてしまうことだ。
いるいる!絶対自分が正しいって信じて、
他人の意見を全然聞かない人。
まさにそれだ。
『最近の若者は…』を連呼するおじさんたちもその典型例だな。
確かに、俺も時々、自分の意見に固執しちゃうことがあるかもな…。
失敗から学ぶための3つの方法
じゃあ次は、失敗からどうやって学べばいいかを解説するぞ。
今回は3つの方法を紹介しよう。
1. ミスを報告できる環境づくりをする
まず大事なのは、ミスを報告できる仕組みを整えることだ。
航空業界では、事故が起こると独立機関が原因を徹底的に調査し、その結果がデータベースを通じて全航空会社に共有されます。
また、ミスを犯したとしても、それを早いうちに報告すれば処罰されることはありません。
この仕組みによって、飛行機は世界一安全な乗り物となったのです。
なるほど、責任を問うよりも改善にフォーカスするのがポイントなんだね。
2. マージナル・ゲインとリーン・スタートアップ
次は、マージナル・ゲインとリーン・スタートアップの考え方だ。
論文を書くときも、最初から完璧を求めずに、
教授に下書きを見てもらえばいいってことか。
そうだ。最初のフィードバックをもとに、少しずつ改善していけばいい。
3. 質よりも量をこなす
最後は、質ではなく量をこなすことの大切さだ。
ある陶芸クラスで、学生を採点基準の方針で『質』と『量』の2グループに分けました。
量のグループは、提出作品の総重量が一定に達すればA評価。質のグループは、自信のある1つの作品だけを提出するよう指示されました。
その結果、最も優れた作品を生み出したのは『量』のグループだったのです
量を求めた結果、試行錯誤を重ねて、
粘土の扱いも上手くなっていったというわけだな
あれこれ考えるより、とりあえず手を動かすべきってことか!
【まとめ】成功するために失敗は必須
それでは今回のまとめに入ろう
- ミスを隠す
- 真実をゆがめる(認知的不協和)
- 自分の考えにしがみつく(確証バイアス)
- ミスを報告できる環境づくりをする
- マージナル・ゲインとリーン・スタートアップを活用する
- 質より量をこなして試行錯誤を重ねる
リーン・スタートアップの考え方には、すごく共感したな。
まず行動してから改善するって大切だね。
そうだ。
最初から完璧を目指さず、量をこなして失敗から学ぶ。
それが成功のカギだ。
失敗するのが怖くて動けなかったけど、もっと積極的に行動してみようかな
それでは、今日の講義は以上だ。
先生、今日もありがとう!