評価
6.2点/10点

世界観の作り込みは好きですが、その他がどれも中途半端に感じます。作業感が強く、特別面白いとは思えませんでした。
『ムシカゴ』はSFチックな世界観が特徴のスマホゲーム。しかし、ストーリーやキャラクターに深みがなく、個人的に味気なく感じてしまいました。
どうやら本作は前作『トリカゴ』のスピンオフ作品らしいです。しかし、私はプレイしていないので本作のみのレビューとします。
ということで今回は、『ムシカゴ オルタナティブマーチ』のレビューをしていきます。
ゲームシステムはシンプルでいいね。でも・・・
ゲーム内容を超カンタンに説明するとこうです。
「モンスターを怒らせないように、適切な選択肢を選んでいく」
もう少し詳しく説明しますね。
キャラクターの役割は大きくわけて3つありまして、「お世話係」「職員」「街獣」です。
荒廃した街にはびこっている街獣のデータを集めるため、お世話係と職員が調査に当たります。

調査の流れとしては、お世話係であるあなた(主人公)が職員の提案を採用するか却下するか、という感じです。

つまり、実際に街獣と対峙するのは職員ですね。お世話係は提案の採択をするだけです。
個人的に、このシステムはシンプルで良いなと思いました。
スマホユーザー向けに遊びやすい操作に仕上がっていると思います。
しかし、それゆえに深みがなく、飽きが来てしまいます。
初回だけならよいのですが、このゲームは周回を前提に作られています。
同じ敵を相手に何度も似たようなやり取りをするわけですから、さすがにパターンを覚えてしまいます。
結果的に、ゲーム要素が作業となってしまい、あまり良い評価につながらなかったと感じます。
「はあ、また喋りすぎたみたいだな」
本作は職員のキャラエピソードが主軸のゲームです。
職員の数も8名おり、それぞれにストーリーが存在します。
しかし、このキャラエピがあまり魅力的ではありません。
というのも、キャラクターが説明口調すぎるからです。
具体的にいうと「また喋りすぎたみたいだな」とか「すこし感傷的になりすぎたわ」が頻出します。
お前それさっきも言ってただろ!と思わずツッコミをかましてしまいました。
なんか勝手に自分語りを始め過ぎな印象です。

たしかにキャラの数が多いので、すべてを丁寧に語っていたら時間がかかりすぎてしまいます。
しかし、そのせいでキャラエピの作り込みが粗くなってしまい、結果的にゲームの魅力を損なっていると思いました。

いっそのこと、キャラの数を減らしてもいいのでは?
スマホゲームで、しかも無料で提供しているという背景はわかります。
だけど、それでキャラエピが薄くなっていたら元も子もないと思うのです。
こういった理由があり、キャラクターにはあまり共感できませんでした。
ストーリーが薄っぺらい
全体的に、世界観だけ作り込みすぎている気がします。
たとえば、「月の連中」とか「街獣がはびこっている」とか。雰囲気だけで勝負しているように感じました。
エンディングは全部開放しましたが、結局ストーリーの全体像がさっぱりわからんです。
やっぱり雰囲気ゲーにとどまっている気がします。
たしかに、本作はキャラエピが主要素な面もあるので、物語が弱くても多少は問題ありません。
しかし、そのメインのキャラエピがそこまで面白くないのが問題ですね。
世界観だけ作り込んで、ストーリーがおざなりだと感じてしまいました。
もしかしたら、前作の『トリカゴ』で詳しく解説されていたのかもしれないです。
お世話係、いらなくね?
正直、お世話係いらなくね?
いや、だってコイツ提案を採択するだけでしょ。実際に街獣に対処するのは職員なわけだし、主人公はなにもできません。
おまけに、職員が死んでもペナルティはなしです。

だったらお世話係って何を受け持つ人なんでしょうか?職員もこんなやつの命令聞きたくないでしょ。
だって自分が死んでもなんの責任も負わないんだし。そんなやつと信頼関係が生まれるとはとても思えませんでした。
せめて、主人公にはなんらかの欠点というか、責任を負わせるべきだと考えます。
たとえば、「職員が1人死ぬごとに月からの補給物資が減る」とか。
そうすれば、主人公の責務の大きさが際立つと、勝手に思いました。
プレイヤーがもっと見たい部分が語られていない
これは個人的な意見ですが、プレイヤーがもっと見たいのは、上司と妹さんのイベントじゃないですかね。
本作はそこに対する言及が少ないと思います。1つのエンディングだけで済ませてしまうのは少しさみしい気がします。

上司はいわばメインヒロイン。
だったら彼女のストーリーをもっと深堀りしてもよかったのではないかと。
やっぱりどのキャラクターも中途半端に感じてしまいます。
まとめ|なんか色々もったいない作品、惜しいと思う
個人的に、あのSFチックな世界観は好きでした。
しかし、どのキャラエピも中途半端で、深く感情移入できるものではなかったです。
もしかしたら、前作の『トリカゴ』で説明済みの内容があったのかもしれません。
そこを知り得ないのが残念ですけども。
それでは今回は以上です。読んでくれてありがとう!
・ゲームスペック
ジャンル | アドベンチャー |
配信日 | 2019年11月 |
開発元 | カラメルカラム |
対応機種 | AppStore/Google Play |