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『YOUR TIME』時間術が生産性に役立たずである理由を解説【本要約】
今回解説している本時間術で時間を管理することができないのはわかったよ。
じゃあ俺たちは何を管理すればいいのさ?
まあ待て。その話をする前に『時間の正体』について
明らかにしなければならない。
時間の正体?寝ていい?
寝るな。哲学的な話をしたいわけじゃない。
多くの人が時間をうまく使えないのは、時間に対する理解が不十分だからなんだ。
ほーん。で、時間の正体を理解すればうまく時間が使えると?
その通り。今回の講義では、時間の正体を明らかにしていくぞ
よろしくお願いします!
時間の正体って?
時間の正体を知るための2ステップ
- 人間の脳はつねに推定し続けている
- 時間の流れとは、世界の変化率のこと
人間の脳はつねに推定し続けている
お前は『チャリン』という音がしたらどんな行動をする?
瞬時に周りをくまなく探すね。
ほう。それはなぜだ?
そりゃあ、誰かがお金を落としたからに決まってるでしょ。
落とし主が拾う前にこっちが拾ってやるのさ。
理由はクズだが、お前が言いたいことはわかった。
つまり、『チャリン』って音をお金が落ちた音だと思ったんだよな?
そうだよ。だからなんなのさ。
これは脳がつねに推定を行なっているという証拠なんだ。
推定?どういうこと?
『チャリン』という音に瞬時に反応することができたのは、過去にその出来事を体験したことがあるからです。
音が聞こえたときに、脳はまず『チャリン』という音に関する情報を記憶の中から探します。お金が落ちたときに『チャリン』という音が聞こえた、という経験を持っている人は「チャリン=お金が落ちた音」として記憶しています。
脳はこの記憶をもとに「チャリン=お金が落ちた」確率が高いと推定したわけです。もちろん「チャリン=ネジが落ちた音」など、他の音として記憶している人もいます。
脳はつねに推定し続けている。ひとまず、このことを頭に入れておいてくれ。
ラジャー
時間の流れとは、世界の変化率のこと
お前は、カレーの汚れがついた皿を見たらもともと何があったはずだと思う?
え?そりゃカレーでしょ。
そうだよな。じゃあこの先何が起きそうだと思う?
うーん。水につけなきゃカピカピになる…とかかな
なんでそう考えたんだ?
いやぁそれがこの前、カレーを食べたあとに皿を洗うのがめんどくさくて…。
むむ…、待てよ…。これってもしかして…!
気づいたか。お前はまた”推定”したんだ。そしてこれが時間の正体そのものなんだ!
おお!お…?
推定してるってのはわかったけど、なんでこれが時間の正体なの?
汚れたカレー皿を見たとき、私たちの脳内では以下のような情報処理が行われています。
- 汚れたカレー皿があるな
- ここにはカレーがあったんだろう
- 放置しておくとカピカピになっちゃうな
この処理プロセスで生まれるのが、「過去」と「未来」なのです。上記の例に当てはめてみると
- 現在:汚れたカレー皿があるな
- 過去:ここにはカレーがあったんだろう
- 未来:放置しておくとカピカピになっちゃうな
このように現在の情報をもとに最も確率が高い世界が生み出されました。これが時間の正体です。
嘘…だろ…?未来と過去は推定で生まれたってこと?
そう、これが真実だ。人間の脳は過去と未来の変化率を高速で計算し続けている。
そのプロセスのことを私たちは時間として認識しているんだ。
つまり、時間なんて存在しない…?
そうだ。時間なんて概念は私たちの後付けにすぎない。
ぐおおおぉ!!
結論:時間の正体とは、物事の変化率のこと。それに対して時間という概念を後付けした。
本書ではこのような脳の計算機能を考慮して、過去と未来のことを以下のように表現しているぞ。
- 未来=いまの状態の次に起きる確率が高い変化を、脳が「予期」したもの
- 過去=いまの状態の前に発生した確率が高い変化を、脳が「想起」したもの
予期と想起?
ああ。
現在の情報をもとに次に起こりそうなものを推定することが予期。
現在の状態を見て、似たような記憶から以前に起きたことを推定することが想起だ。
この事実を踏まえると、時間術というものが根底から覆るよね。
その通り。時間の正体が明らかになった今、正しい時間術とはつまりこういうことだ!
結論:正しい時間術とは、私たちの「予期」と「想起」を調整するもの
時間には24時間という物理的な上限がある。
だから、私たちの内側にある意識の方、すなわち「予期」と「想起」を調整するほかないんだ。
これが時間術の本来の姿か…!
まとめ
本日の講義のまとめをしよう。
時間の正体とは?
時間の正体とは、物事の変化率のこと。それに対して時間という概念を後付けした。
正しい時間術とは?
正しい時間術とは、私たちの「予期」と「想起」を調整するもの
特に気になった点とかはあるか?
そうだな…。物事の変化する過程に時間という概念を後付けしたという話には驚いたよ
たしかにな。時間なんて人間が生み出した幻想にすぎないんだ
今回の講義では、「予期」と「想起」を管理することが正しい時間術だって言っていたよね。
でもそんな抽象的なものをどうやって管理すればいいんだよ
それについてはまたの機会に取り上げよう。
今回の講義では、正しい時間術は予期と想起を調整するものである
ということを忘れないでくれ。
ガッテン承知!
それでは今回の講義は以上だ
先生ありがとう!
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